第29章 ふたりの、初めて。 その6 ※
「・・・っは・・・ぜ、全部・・・入ったぞ、ヒカリ・・・」
「っっ・・・ん・・・うん・・・っっっ・・・」
・・・かなり強引すぎたと思う。本来ならもっとゆっくり時間をかけてやったほうがヒカリのためにも良かったんだろう。だけど、ヒカリの笑顔を見たら、湧き上がる衝動を抑えることができなかった。
ヒカリのナカは、俺をまるで引きちぎろうとするようにきつく締め付けてくる。だけど、そこは蕩けてしまそうなぐらいにあたたかかった。
「っ・・・ヒカリ・・・大丈夫か?」
額に浮いた汗が流れ落ちていく。顔を上げ、ヒカリの様子を伺う。ヒカリはぎゅっと目を閉じたまま、必死に痛みに耐えているような表情をしていた。
「っ・・・し・・・し、死んじゃいそう・・・」
「は?!お、おい・・・」
絞り出すようなヒカリの声に、一瞬で身体が冷えていくような思いがした。
「っっ・・・・・・し、幸せすぎて・・・宗介さんのことが・・・だいすきすぎて・・・死んじゃいそう・・・ふ・・・ぅ・・・」
だけどそれは俺の勘違いで。小さなその口から紡がれた言葉と、その瞳からこぼれ落ちる涙に、身体だけでなく心も熱くなっていった。
「・・・ああ、俺もヒカリとおんなじ気持ちだ」
もう一度、その小さな身体を強く抱きしめると、愛しさを全部伝えるように、ヒカリの唇に自分の唇を重ねた。