第29章 ふたりの、初めて。 その6 ※
「好きだ、ヒカリ・・・・・・ぶはっ!」
「ふぇぇ?!な、何ですか?!いきなり!」
「お前が最高だってことだよ・・・はははっ!」
「え?え?!さ、さっきから何、笑ってるんですか?!・・・わけわかんない!う〜〜、ばかばかぁ!」
もうすでに上気してる頬を更に赤くさせて、ついにヒカリが怒りだした。だけど俺だって笑いが止まらない。
こんな初めての大事な時に、しかも挿入の真っ最中に男が大笑いして、彼女を怒らせちまうなんて、前代未聞だろう。だけど、それでいい。俺とヒカリはこれでいい。
「な、何もおかしくなんてないですよ!もう!宗介さんなんて知らない!・・・んっ!・・・ん・・・」
ぷいとヒカリが顔を横に向けてしまった。そんなヒカリの髪や額に、宥めるようにそっとキスを落としていく。
「わるいわるい。んな怒んなって・・・な?」
そっと髪を撫でてやりながら、今度はこめかみや頬に唇を落とす。
「んっ!・・・も、もう・・・キスしてくれたって許さないんだから・・・んっ!」
「ん〜〜?本当か?」
そう言いながら、ヒカリの横顔を埋め尽くすようにキスしていく。唇以外の場所、全部に。
「ちゃ、ちゃんと・・・唇にしてくれたら・・・ゆ、許してあげます・・・」
しばらくすると、俺の予想通り、ヒカリは顔を正面に向けた。その顔は、出会った時からずっと惹かれ続けたいちごみたいに赤くなった顔で、少し笑ってからその柔らかな唇を塞いだ。
「・・・許してくれるか?」
「も、もう・・・・・・しょうがないなあ、ふふふ」
唇を離して囁くように聞いてやると、ヒカリは始めは頬を膨らませていたが、その後ふわりと笑った。いつだって俺の心を捉えてやまない笑顔で。
「・・・ヒカリ」
「へ?宗介さ・・・・・・っっっっっっっっ!!!!!!!!」
ベッドの上に置いていた手をヒカリの背中に回しきつく抱きしめると、一気に腰を奥まで沈めた。ヒカリが声にならない悲鳴を上げ、俺の背中に強く抱きついてくる。背中に一際鋭い痛みが走った。