第29章 ふたりの、初めて。 その6 ※
ヒカリの声が微かに震えているのがわかった。だけど、それには気付かないふりをして、ヒカリの気持ちを受け止めるように、俺の気持ちを伝えるように、俺達は唇を重ねた。
「・・・ヒカリ」
「・・・宗介さん・・・」
唇を離すと、ヒカリが俺の目を見てはっきりと頷いた。
身体を移動させ、再びヒカリの脚の間に入る。足首を持ち、大きく開かせ、ヒカリの蕩けきった入り口へと俺自身をあてがう。びくりとまたヒカリの身体が大きく震えた。
・・・わかってる。ヒカリのこと本当に大事に思ってるんなら、こんなことしない方がいいことぐらい。体格差がありすぎる。俺が欲望のままに抱いたら、こいつの小さい身体がぶっ壊れちまうかもしれない。それが怖い。
・・・でも、それでもヒカリを抱きたい。ヒカリの全部を俺のものにしたい。身勝手なのはわかってる。だけど、もう止めることはできなかった。
「・・・力、抜いてろよ」
「はっ・・・はい・・・」
ヒカリの上に覆いかぶさり、少しずつ腰を沈めていく。
「っっっ!!!・・・・いっ・・・!!」
さっき十分に濡らしたとは言っても、まだ誰も受け入れたことのないそこは驚くほど狭く、侵入を拒もうとする。先端をほんの少し挿れただけで、ヒカリは身体を強張らせ、瞳に涙を滲ませた。
「ヒカリ・・・きつかったら俺にちゃんとつかまっとけ。な?」
「っ・・・は、はい・・・!!」
シーツを握り締めていたヒカリの手が背中に回ってきたのを確認してから、再び腰を落としていく。
「〜〜っっっ!!・・・っっ!!」
「っ・・・ヒカリ、息止めるな。その方がきついから」
「は・・・はい・・・すぅ・・・はぁぁ・・・」
恐らく無意識だろう。ヒカリの爪がぎりぎりと俺の背中に食い込んできて、鋭い痛みを感じた。だけど、ヒカリの痛みはこの比じゃないはず。それに、この痛みがヒカリの痛みなら、耐えるのは当然だと思えた。