第28章 ふたりの、初めて。 その5 ※
・・・怖くなんてない。怖いわけがない。だって、宗介さんのこと大好きだから。
・・・でも、今の宗介さん、少しだけ怖い。どんどんどんどん先に進んじゃって。
・・・だけど仕方ないんだ。だってきっとエッチするってこういうことなんだもん。私が誘ったのに、こんなことじゃ宗介さんに嫌われちゃう。
・・・止まって!・・・止まって!!!
ぎゅーっと身体中に力を込めてみるけれど、震えは全然止まってくれない。
・・・どうしたらいい?どうしたらいいの?
涙が零れ落ちそうになった時、私の身体がとてもあたたかいものに包まれた。
「・・・っ・・・そ・・・すけさ・・・」
「・・・重くねえか?」
私の上に覆いかぶさるようにして、宗介さんが抱きしめてくれていた。
「・・・っ・・・は・・・い・・」
「・・・あんま嬉しくて、お前の気持ちも考えないで先走っちまった・・・ごめんな」
「っ・・・」
いつもの宗介さんの優しい声が鼓膜を震わせる。
・・・宗介さんに謝らせちゃった。ちゃんと覚悟決めたのにこんな風になっちゃって、悪いの私なのに。
「・・・お前が落ち着くまでずっとこうしてる」
宗介さんの腕が私をぎゅっと力強く抱きしめてくれる。
初めて触れ合う素肌と素肌。宗介さんのあたたかさとか、鼓動とか重みとかが全部私と溶け合っていく。少しずつ、震えが止まっていく。
「宗介さん・・・」
私も手を伸ばして、宗介さんの背中にしっかりと抱きつく。すると、更に宗介さんの重さを感じて、それと同時に太ももの辺りに、布越しでもわかるほど熱くて硬いものが当たるのに気付いた。それが何かわからないほど私も子供じゃない。気付いた途端に一気に顔が熱くなっていく。
・・・やっぱり恥ずかしい・・・怖い・・・
だけど・・・それでも宗介さんは、我慢してくれてる。多分、つらいはずなのにそれでも私のために待ってくれてる。
今まで何回も思った。宗介さんに大事にされてるって。でも今ほどそれを感じたことはない。
・・・嬉しい・・・嬉しい。
・・・これ以上を望んだらワガママかもしれない。だけど・・・それでもやっぱり・・・