第28章 ふたりの、初めて。 その5 ※
胸元に、はっきりと宗介さんの視線を感じる。
たくさん悩んで選んだ、一番可愛いブラ。宗介さん、どんな風に思ってくれてるんだろうって、ぎゅっと目を閉じて、恥ずかしさに耐えながら考える。だけど、私の身体はすぐに横向きにされて、宗介さんの手がブラのホックにかかってきた。
「ひゃ!・・・っん!」
慣れた手つきでホックはすぐに外されて、何の抵抗をする間もなく、ブラが腕からするりと抜け落ちていく。
・・・どうしよう、待って・・・わかってる、わかってる・・・だけど、恥ずかしい。
もうすでに頭の中はいっぱいいっぱいで。身体が横向きから仰向けに戻されようとする時、私は手で胸を覆って、思わず大きな声を出してしまっていた。
「っ!ま、待って!・・・ず、ずるい!私ばっかり!」
「・・・はぁ?!ずるいってなんだよ?」
「そ、宗介さんも脱いでください!!」
だってだって、本当にずるい。私ばっかり脱がされて、恥ずかしくてどうしようもないなんて。
宗介さんだっておんなじように脱いでくれなきゃ不公平だ。
「・・・わかった」
私が言うと、宗介さんはすぐに上半身の服を脱ぎ出した。布が擦れ合う音と、それがバサッと下に落ちていく音がする。
一気に容量オーバーになってしまった私は、ぎゅーっと目を閉じて音だけを聞いていた。だけど、最後の方で少しだけ目を開けてみた。
「ぁ・・・」
宗介さんの右肩のサポーターを見て、思わず小さな声が出てしまう。だけど宗介さんはすぐに、気にするなというように軽く頭に触れてくれる。
「・・・これでいいか?」
サポーターも外されて、宗介さんの何も身につけていない上半身が私の目に飛び込んでくる。
「っっ!!」
「おい、ヒカリ?」
「な、なんで・・・なんでそんな・・・か、身体してるんですか?!」
こんな時にこんなこと言っちゃうなんて本当に私、子供だと思う。だけど、広い肩幅とか、厚い胸板とか、鍛えられて引き締まった筋肉とか、全然私と違う。
恥ずかしくて恥ずかしくって、胸を手で隠したまま、宗介さんから逃げるように、私は横を向いてしまう。