第28章 ふたりの、初めて。 その5 ※
ベッドの上、宗介さんの重みやあたたかさを感じながら、キスをする。夢中で舌を動かしながらもなんだか頭は冷静で。
宗介さん、私が重くないようになるべく身体浮かしてくれてるんだなあ、とかこんな体勢でキスするのって、リビングのソファーで前にしたことあるから実は2回目なんだよなあ、とかそんなことを私は考えていた。自分の容量をとっくにオーバーしててドキドキしすぎちゃって、おかしくなっちゃってるのかもしれない。
「っは・・・ぁ・・・ん・・・ぁぁ・・・ふぅんっ・・・はぁ・・・っはぁ・・・」
長い長いキスが終わって、宗介さんの唇が離れていく。私と宗介さんの唇の間を透明な糸が結んでいて、それはすぐに消えていった。
「・・・ヒカリ」
私の名前を呼ぶ宗介さんの声。見つめる瞳も、何もかもが今までと違う。宗介さんだけど宗介さんじゃない。こんなことわかりきっていたことだけど、男の人なんだなあって感じる。
怖い気持ちだってある。だけど今は嬉しい気持ちのほうが強い。だって、今まで見たことがない宗介さんを見ることができるから。今はその宗介さんを私が独り占めできるから。
「・・・宗介さん」
その嬉しさのままに、私も宗介さんの名前を呼んだ。だけど、私が冷静でいられたのもそこまでだった。
「っへ?!え、え、あの・・・」
宗介さんの手が私の服の裾にかかった。
待って・・・待って!脱がなきゃいけないのはわかってる。でもこんなにすぐ、なの?まだ昼すぎだから部屋、明るいし。見られちゃう、宗介さんに。自分で望んだことだけど、一気に頭がパニックだ。
「・・・ダメか?」
だけど、懇願するように宗介さんに言われたら、ただもう私は頷くことしかできない。
「だ、ダメじゃないっ!・・・です・・・」
「少し身体、浮かせられるか?」
宗介さんの言う通りにすると、ニットと中に着ていたキャミソールが一気にたくし上げられる。その動きに合わせてバンザイする形になると、すぽんと服が抜けていった。暖房は十分効いているけれど、ひんやりとした感覚が私の上半身を包む。
だけど、寒いとか、それどころじゃない。だって私今、上半身ブラしか身に付けてない。