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いちご☆恋模様 PART2

第24章 ふたりの、初めて。 その1


ちょっとショックだけれど、こんなことは慣れっこだ。それに、私の存在に気付かなかったなら、今まで私達がしてたことも見られていないことになる。さっきは思わずドキッとしたけれど、安心した。

「へ〜〜!ヒカリちゃん、今日服装も髪型もすっごく可愛いね!」
「へ?!あ、ありがとうございます・・・」

貴澄さんにまじまじと見つめられて『可愛い』なんて言われて、思わず声が上擦ってしまった。

「そっかー、今日イヴだもんね。あ!もしかして僕、すっごいお邪魔虫だった?」
「・・・まあ、そういうことになるな」

不機嫌さを隠しもしない声で、宗介さんが言う。そこまではっきり言わなくてもいいんじゃ・・・なんて思ってしまう。

「あはは!相変わらずはっきり言うね、宗介は。それじゃあ、僕も買い物の続きあるし、またね!二人とも、デート楽しんできてね!」

だけど貴澄さんは慣れているのか、全く気にしないで明るい声でそう言うと、手を振りながら去って行ってしまった。私もぺこりと頭を下げて貴澄さんの後ろ姿を見送った。



・・・前も思ったけど本当に明るくて気さくな人だなあ。お友達って言うけど、宗介さんとは正反対な感じ。
こんな風に宗介さんのお友達に会えるのは、宗介さんの知らない一面を見れるみたいでちょっと嬉しい。だけど、今は・・・完全に誘うタイミングを逃しちゃった、よね?
・・・どうしよう・・・今から言ってもやっぱりダメだよね・・・なんて思いながら、横にいる宗介さんを見上げようとすると・・・・・・



「・・・・・・ちっ」



聞き間違いなんじゃないかと耳を疑ってしまうぐらいに、大きな舌打ちが聞こえてきた。

「そ、宗介さん?」

・・・宗介さん、ものすごく怒ってる?な、なんか宗介さんからどす黒いオーラが出ている気がする。そんなにさっき、邪魔されたのがイヤだったのかな、なんて思っていたら・・・



「・・・・・・あいつに先越された」

「・・・へ?」

いつの間にか宗介さんからどす黒いオーラが消えていた。その代わりに、宗介さんの頬がほんの少しだけ赤くなっている。
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