第24章 ふたりの、初めて。 その1
「・・・はっ、何赤くなってんだよ」
「だ、だって・・・」
「ホント、すぐ赤くなるよな、お前」
「う〜・・・」
優しく私の頬を撫でながら、また宗介さんが笑う。
・・・すぐに赤くなっちゃうのは宗介さんだからだもん。宗介さんのことが大好きだからだもん。
宗介さんの大きい手とか、優しい笑顔とか、広い肩幅とか、見てるだけでもう止まらない。大好きって気持ちがどんどん溢れてくる。
・・・どうしよう。こんな周りに人もたくさんいるのに、私今、すごく、すごく・・・
「・・・あー・・・ヒカリ。お前・・・寒くねえか?」
「へ?い、いえ、大丈夫ですけど・・・ふわっ!」
ちゃんとあったかい格好してきたから大丈夫なのに。それに宗介さん、なんか急に照れくさそうにしてどうしたんだろう?なんて思っていたら、急に身体が大きくてあたたかい物に包み込まれた。
「・・・へ?・・・あの・・・そ、宗介、さん?」
「・・・・・・」
気付いたら私は宗介さんのコートの中にいた。私と宗介さんの身体、ぴったりとくっついている。見上げた宗介さんの頬も少し赤くなっている。
「・・・・・・お前がちっこくてよかった」
「も、もう!ちっこいって言わないで下さ・・・ん」
また人が気にしてること言った!確かに宗介さんのコートの中にすっぽり入っちゃってるけど、わざわざ言わなくたっていいじゃない!そんな風に腹を立てていたら、宗介さんの顔が近付いてきた。
私のおでこと宗介さんのおでこがこつんと当たる。
「・・・・・・」
「・・・・・・んっ」
宗介さんの瞳に間近で見つめられて、私はぎゅっと目を閉じた。瞬間、唇にあたたかいものが触れ、またすぐに離れていく。
・・・久しぶりに会う宗介さん。大好きって気持ちが溢れて、ぎゅってしてキスしてほしいって思った。もしかして、宗介さんも私と同じ気持ちでいてくれたのかな・・・だとしたらすごく、すごく嬉しい。
「あ・・・ま、まって、宗介さん!・・・っっ!!」
「っ・・・ヒカリ?」
私を包み込んでくれていた宗介さんの腕が少しずつ離れていこうとしてる。慌てて宗介さんにぎゅっと抱きついた。