第1章 STEP BY STEP
「・・・はい、もう十分です!ありがとうございます!宗介さん」
そう言ってにっこりと笑ってやった。
宗介さんは始めポカンとした顔をしてたけど、すぐに口元をゆるませた。
「・・・はっ、まさかお前にやり返されるとはな」
「ふふ・・・んっ・・・・・・そう・・・すけ、さん?」
宗介さんの両手が私の頬を包み込んだ。ただでさえ熱い頬が、もっともっと熱くなっていって。多分、頬だけじゃなくって、私、耳とかまで真っ赤だと思う。
「・・・・・・じゃあ今度は俺が言うわ・・・・・・まだ足りねえ。もっと・・・してもいいか?」
「は、はい、んっ・・・」
吐息がかかる距離で宗介さんの低く甘い声が鼓膜を震わせて。頷いて目を閉じるよりも前に、宗介さんに唇を奪われた。
・・・いつか宗介さんの頬を真っ赤にできる日が来るんだろうか、なんて考えたことがあったけど、やっぱり私にはそんなのまだまだ無理だった。結局今日も私が真っ赤にされてばかりだったけれど、それでもよかった。
ゆっくり、ゆっくりと宗介さんと歩いていけたらいいな。
いつの間にか花火は始まっていて、花火の上がる音とか、みんなの歓声とかを聞きながら、私達はいつまでもキスをしていた。