第3章 イレギュラー門発生
警戒区域に入り、嵐山たちは屋根の上を飛び本部を目指している
『C級隊員かー、隊務規定違反をどう援護します?』
「やはり怪我人、犠牲者が出なかったところを推すべきだろう。オレたちが着いてからではそうはいかなかっただろうし」
先程言った通り、嵐山たちは三雲を援護するようだ
それに納得のいかない木虎はかみつく
「先輩方、あれはルール違反です。違反者を庇うんですか?」
「それはそうだが、犠牲者が出なかったということは大きい。違反はしているがその功績は立派なことだ」
『違反ってわかってて使ってんだし、覚悟はしてると思うよ?でも、ちゃんと功績も伝えないとね〜。私だったら処分が怖くて使えないよ〜』
あはは、と笑いながら言う蔵馬を時枝はじっと見て
「蔵馬先輩なら気をしないですよね? 正当防衛とか言って上をやり込めそうですよ」
なっ、と固まった蔵馬を見て嵐山は笑いながら言う
「たしかにな!とにかく、ありのままの事実を伝えるよ。報告に行ってくるから隊室で待機しててくれ!蔵馬は…」
本部に着き、隊員に指示を出した嵐山は振り返って蔵馬を見る
『あ、私はやることあるから後で行くって伝えといて。んで、木虎借りるよ』
ガシッと木虎の手を掴み来たばかりなのに外へ向かって歩き出す
「伝えとくからちゃんと来いよー!」
木虎を掴んでない方の手を上げ、了解と告げる
嵐山と時枝は、蔵馬と小走りでついて行く木虎を見つめながら話す
「蔵馬先輩のことだからきっと意味のあることなんでしょうけど…木虎は大丈夫でしょうか?」
表情を変えないまま嵐山を見上げる
嵐山は少しずつ遠くなっていく2人を見つめたまま答える
「あいつのサイドエフェクトでなんとかなるさ!さぁ、俺たちも出来ることからやるぞ!」
「そうですね」
ー物語は動き出す…ー