第3章 イレギュラー門発生
「迅 悠一、お召により参上しました」
「ご苦労」
あの緊急事態のあと三雲は空閑と別れ、木虎と蔵馬に連れられボーダー上層部にいた
重々しい雰囲気の中、その場の空気には合わない明るい声が響く
「本題に入ろう。昨日から市内に開いているイレギュラー門の対応策についてだ」
ボーダー本部司令の城戸が口を開き本題を告げる
「待ってください。まだ三雲くんの処分に結論が出ていない」
それに本部長の忍田は納得がいかないと言ったように口を開く
それに対し、開発室長の鬼怒田、メディア対策室長の根付も首で決定だと言う
その後も上層部同士での会話は続いていくが、そんな中蔵馬は参加せず、椅子に座ったままスマホを弄っている
それをイレギュラー門の話題を振られた迅が取り、答える
「もちろんです、実力派エリートですから」
そのまま、三雲の肩に手を置き、三雲の処分を俺たちに任せろと言った迅を怪訝そうに見つめる
が、そんな視線に気が付かないとでも言ったように、迅は話を進め城戸が解散を告げる
解散後、迅は鬼怒田に指示し、蔵馬から取り上げたスマホを根付に見せる
そこには、市民へのインタビューが映っており内容はメガネのボーダー隊員とメディアでも見かける蔵馬に助けてもらったと多くの市民が答えているものだった
『…それ、私が見つけたんだけど?』
「分かってるよ、お疲れ様。唐沢さん…は何も言わなくても大丈夫か」
そのまま笑いながら会議室を出ていく
少ししてから出てきた三雲と、迅と蔵馬は合流する
「迅さんたちはもう目星が付いてるんですか?その…イレギュラー門の原因」
「いや、全然」
笑ったまま答える迅に三雲はえっ!?と声を上げ、今度は蔵馬の方を見る
「く、蔵馬先輩は…?」
『…何となく、自信は全くないけど』
こちらも大した根拠が無いことに驚く
「でも大丈夫!俺のサイドエフェクトがそう言ってるから…それに蔵馬もいるから」