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飛行機雲 【暗殺教室】

第2章 はじめての時間


 *

「この空の向こう側には何があると思いますか?」
 私を軽く追いかけてきた渚君にそう訊いたのは、君と渚君と杉野君と私の四人で話をした後のことだった。
 私の知る限り、君がはじめてクラスメイトと喋ったあの日。
 他の皆と関わりを持たない君を気にかけていた。寺坂くんにプリントを渡してもらう作戦は少し失敗してしまったようだから。この日私は嬉しかったですよ。
「空の向こう? 宇宙?」
 渚君はきょとんとしながらそう答えた。
 どうしてそんなことを訊かれるのか判らないといった風に。
「それがどうかしたの? 殺せんせー」
「いえいえ、何でもありません。答えてくれてありがとう。さぁ、五時間目の授業ですよ」
 あぐりが嬉嬉として訊いてきた質問だった。彼女が受け持っていたE組の生徒にされた質問のようだが、その生徒が誰なのか私は知らない。
 何故、今になって思い出したのか。
 私自身気になっていたのかもしれない。私一人では導き出すことのできない、その答えを。
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