第1章 ルイ様専属騎士、参上!!
「何?」
突然かけられた声に肩が跳ねる。
紙から顔を上げたルイ様が私の方を見ていた。
チラチラそわそわしていたのが気になったのかな?
でもそれは好都合!
『このお菓子、とっても美味しいです!』
お菓子の乗ったお皿をルイ様に見えるように持ち上げる。
『シュークリームみたいな形してます!』
「それはマカロンって言う物だよ」
『まかろん…?…覚えました!』
頭の中で何度もマカロンと繰り返して、覚えた事をルイ様に報告する。
すると、ルイ様はあまり動かさない表情を少しだけ緩めて「そう」と返してくれた。
それが嬉しくてもう一つマカロンを口に入れる。
やっぱり美味しい!
『ルイ様も食べますか?』
「じゃあ、一つだけ」
ルイ様の返事を聞いて、すぐに掌いっぱいにマカロンを持って行く。
掌ごと差し出すと、その中からオレンジ色のマカロンを一つ摘んで口に入れた。
控えめに口を動かす姿はとても綺麗だった。
「ありがとう。あとはシャロが食べていいよ」
『美味しかったでしょう!?』
「うん。美味しかった」
胸の中が嬉しさで一杯になる。
ルイ様にこの気持ちをわかってもらえて良かった!