第1章 ルイ様専属騎士、参上!!
まだ小さかった頃の事を思い出して、口角が上がる。
ハッとして、顔を手で覆い隠して目の前で仕事をしているルイ様を見る。
独りでに変な顔しちゃったけど、見られてないよね…?
仕事をする机に向かって紙を見たり何かを書いたりしているルイ様は気付いて無いようでホッとした。
真剣なルイ様の横顔を見つめながら、メイドさんに出してもらったお菓子を口に含む。
あ、これ美味しい!
ルイ様!
そう出しかけた声を慌てて閉じる。
ダメダメ、今ルイ様は執務中で忙しいんだから。
高ぶる気持ちを抑える為に紅茶を飲む。
砂糖とミルクで飛びっきり甘くした紅茶は、素の苦々している方よりも私は好きだ。
でも、やっぱりこのお菓子の美味しさをルイ様に教えて差し上げたいな…。
紅茶を飲んだのにドンドン上がってきちゃう。
どうしよう。でも、話しかけたら迷惑だよね?
だって今はルイ様は忙しいんだから。
後でだって伝えられる。
でも……。