第1章 ルイ様専属騎士、参上!!
辺りが静まり返る。
アランさんも驚いていた。
驚きすぎて終わりの合図を忘れているようだったから、自分で勝ちだと決めて模擬刀を腰に指すふりをして姿勢を正す。
私の動きに我に返ったアランさんが慌てて終わりの合図と結果を言う。
「シャロットの勝ち!互いに、礼!」
頭を下げてアレックスさんと握手を交わす。
「いや、驚いた。正直見くびっていたよ。また機会があれば手合わせ願いたい」
『はい!いつでも受けて立ちます!!』
私が笑えばアレックスさんも笑って手を離した。
本当の戦いとは違って、負けた相手とこうして握手ができるのが模擬戦のいい所だと思った。