• テキストサイズ

ハリポタ

第2章 はじめましてと噛み合わない会話





「やっぱり、聞いてみなくちゃ分かんないんだよねぇ」

本当はずっと、セブルスに強姦されかけたのだと思い込んでた。でも彼の口から出る真実は、最終的な目的は私の安否の確認だった訳だ。

勿論最初からでは無かったけど、そこはちゃんと反省していたし。魔が差す事って多かれ少なかれ、あると思うから。未遂で終わったし、セブルスが心配してくれるのも分かったからもういい。

「お前は…、どう思っている」

「?」

「怖かったのだろう。我輩を恐れたのであろう?…なのに何故、こうして居られる」

まぁ、普通はそう思うよね。私だって元の世界で何度も襲われかけて、その相手とは二度と会わない様にしてきた。

「この世界とハリーに関する出来事を、粗方知ってるって言ったよね?貴方のことも知ってる。そして私は、物語の中の貴方を心底…、愛しく思った。」

ピクリと揺れる肩を見詰めてクスリと笑いをもらし、構わず続ける。

「物語の貴方は目の前の貴方とは全然違った。けれど、こうして暮らしていく中で、貴方を嫌いになれる要素は1つも見付からないのよ。勿論、あの日の事も含めて」

「夏海」

「セブルスに出会えた事を、感謝する事はあっても、恨んだ事は1度も無いよ。」

ゆっくりと歩み寄って、デスクに向い、座ったままのセブルスを後ろから抱き締めた。

「っ」
「うわっ」

ガタンと荒々しい物音を立てて立ち上がった彼に驚き、倒れ掛けた私は、衝撃を受ける前にセブルスによって抱き締められていた。

「夏海…」

徐々に近付く彼の顔に、咄嗟の反応で口に掌を当てる。

「…………」

案の定、ムニっとした唇の感覚が私の手に触れた所で安堵して、セブルスをジトッと見つめた。

「今の何処にそんな雰囲気あった?」

「…………挨拶だ」

「挨拶?」

「い、イギリスでは挨拶にキスをするものだ」

「え、そうなんだ。ハグして頬を合わせるだけかと思っていたよ」

よくテレビとかで見たシーンは、そういう感じだったし。てかセブルスもそんな感じのするんだね。まだまだ知らない事ばかりだわ。

「間柄にもよる」

「そっか。…あれ?でも今、普通に唇にしようとしなかった?」

「……お前が“愛しい”と言ったんだろう」

「言ったけど…?」

「我輩も同じ様に思って居れば、普通だろう」





/ 72ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp