第2章 はじめましてと噛み合わない会話
何とも言い難そうだけれど、折角(?)ぶっ込んだんだし、気になってたのは事実だから、聞いてしまおう。
「……最初は腹が立った」
「ほう?」
「お前にじゃない。その傷を付けた相手に…、いや。…そうだな、自分にだったのかもしれない。」
「…何故?」
漸く身体を起こしてソファに座り直し見据えたセブルスは、少し下。視線の交わらない所をぼんやりと見詰めて、ポツリポツリと言葉を落としていった。
「結局我輩は、何も出来なかったのだ。」
「………」
口調がバラついてる。ここ数週間で気付いたのだけれど、どうも時々、一人称が我輩から僕に変わったり、口調が普通になる事がある。私の事も基本は名前で呼ぶけれど、たまに“お前”と呼ぶ。
何のスイッチなのか、何の感情なのかはまだ良くわからないけど…、どうも良くない感じがするなぁ。
「お前が…、無理に抱かれたのではないか。と、思ったんだ」
「私が?セブルスにじゃなくて?」
「抱いてないと言っただろう!僕じゃない!……っ、森で襲われたのかと思ったんだ!」
ちょっと、やめてよ。ふだん無表情キャラなのに感情的に話さないでよ、色んな意味でドキドキしちゃうじゃないっ。
「………まさか、それで自分もヤッてやろうって?」
「違う。…いや、すまない。最初は少し感情的になった。でも、お前が余りに恐れるから、確かめただけだ」
「何を」
「…処女膜を。」
顔から火が出るかと思った。何を言ってるんだこいつは?ていうか、処女膜って目で見えるもんなのか!?膜っていうより、ヒダだって聞いたけど…。そもそもあんた、見れば分かるのか!?
「………ぁ、あったの…」
「何がだ」
「流れ的に処女膜しかないでしょ!?」
「…分からん」
あんぐり。開いた口が塞がらないとはこの事。あれだけの事をして確認した挙句、分からないって…。私があの時どんな思いで居たか…。
「ち、違う。そうじゃない!
狭過ぎて、慣らしても指1本しか入らなかった。…1度でも抱かれたことがあれば、ぎこち無くても力の抜き方ぐらいは覚えるだろう!?」
「……なんか、経験豊富そうだね。セブルス」
「っ、な、~~もういいっ!」
あ、怒っちゃった。でもあの時私、処女だって言ったし。
…あぁ、そういや私の記憶が飛んでるみたいな事言ってたな。そのせいか。
