• テキストサイズ

ハリポタ

第2章 はじめましてと噛み合わない会話





昨夜の手当で腫れが確認された足首は相変わらずで。痛みと頭痛に効くからと出された薬を手に、飲みたくないと駄々をこねてから、かれこれ1時間弱。

そもそも錠剤貰ってるんだし、そちらで良いじゃないかと言ってみても効きが違うだとか、錠剤はあくまでセブルスが対応出来ない時用だと言われれば、口を紡ぐしかなく。

更には「飲むまで案内しない」とまで言われてしまえば、最早抵抗は無駄だと、想像から来る吐き気を堪えつつ、ゴブレットいっぱいの薬を一気に煽った。

──ゴキュッ─ゴキュッ──ゴキュッ──

「ぅ、…っん……っ、…んっ、ぷはぁ!……うぇ…。……あれ…?なんか。……珈琲…っぽい…?」スンスン

息を止めて飲み干したソレの後味は、何となく珈琲に似ていて…。飲み終えたゴブレの匂いを恐る恐る嗅いで、更に思う事はただ一つ。

眠眠〇破によく似ている!

エナジードリンク系が殆ど飲めない私でも、問題なく飲み干せる眠〇打破は一時期よく飲んでいて。寝付きが悪いのと、眠りが浅い事からくる慢性的な睡眠不足の対策として、職場のロッカーには必ずストックしてある必需品。

根本的な解決にはならないけれど、それこそ昨晩の様な事を職場…。まして仕事中に起こさない為の予防策にしている。

「あまり時間を掛けてもいられん。…殆ど手を掛けられなかったのだが、これならもしやと。」

「っ!凄いね、セブルス!流石だね!飲めたよっ」

私の予定を優先したが故に時間が無くて、それなのに私の為に薬を調合してくれたなんて、…この蝙蝠、神様かよ。

1時間も駄々こねて、本当ごめん!

とまでは言わなかったが、全て私の我儘に付き合ってくれている彼にきちんと礼を言ってから、早速準備をして向かう事にする。

「杖は持って来ましたかな」

「うん、一応ね」

「日中でも森は薄暗い。杖があるに越した事は無いだろう」

「でも私、守護霊の呪文しか使った事ないから、失敗したらごめんね?」

「構わん」

少し先を歩くセブルス。太陽を浴びて、前を向いたまま小さく笑う姿に気付き、見とれてしまう。表情の変化に気付く方だとは昔からよく言われるし、ある程度は自覚もしている。

それでもまさか、あのセブルス・スネイプの表情を見て取れる生活が送れるなんて…。




これを幸せと呼ばずに何という!?




/ 72ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp