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ハリポタ

第2章 はじめましてと噛み合わない会話




「ふふっ。ダメだ、完璧にそうとしか思えなくなって来ちゃった。名前つーけよっ!」

ソファの背凭れに、反対側から軽く腰掛けて1匹ずつ指で撫でながら、命名した名を読み上げていく。

「先ずは、頭痛薬の茶トラ猫ちゃんっ!君はルナちゃん!昔一緒に暮らしてた猫にそっくりさんだから!あはっ、目付きまでそっくりだ…。宜しくね、ルナちゃん。」

一人で箱の動物に命名式を始めると、先程まで進めていた書類の続きに取り掛かり出したセブルス。割と仕事の邪魔になっているだろうに、何も言わないで居てくれる。

「その隣、胃薬担当の黒に手袋持ちのワンチャンは、リクちゃん!君も家の愛犬にそっくりだから。わぁ、元気な所まで本当そっくりっ」

ピョンピョンとカンガルーの様に跳ね回る犬に挨拶を終え、次に目を移す。

「鼠さんの君はねぇ…、………ピートかな。安定剤は使わないつもりだけど、お恥ずかしながら精神強い子じゃないから。もしもの時は、宜しくね?」

オロオロと右往左往する鼠を見ていると、胸が締め付けられる。あまり長く見詰められそうに無いのは、安定剤だからか。友を裏切った彼を思い起こさせるからか。

「睡眠薬の黒猫さんは…、綺麗な子だねぇ。君は…、あれっ。下のワンチャンとは仲悪いのかな?ふむ。……よし、決めたっ!君は“レギュ”!宜しくね、レギュたんっ」

綺麗な毛並みの黒猫。灰色の瞳に、黒犬を嫌うというか…。距離を置く様な仕草をする姿が、彼の弟のイメージにピッタリだった。

「下段の一番左。睡眠導入剤の狼さんは…、…ルー……いゃ。んーと、……そうだっ、リマ!リマ君!どう!?おっけ。宜しくね、リマ!」

危うくこの子だけ苗字で命名する所だった。危ない危ないっ。

「次はねぇ。痛み止め担当、大きい方の黒犬君。君はシリ!決定ー!……ちょっと、不服そうだね。皆はピッタリだって喜んでくれてるよ?んー…じゃ、チキンでいい?…………あははっ、我儘だなぁっ!じゃーもう、シリで決定!いいね!?」

他には黒とかリスとか録なの思い付かないんだもん。そろそろ考えるの疲れて来ちゃったし。正に彼っぽい反応するから、大好物のチキンでもイイと思ったんだけど、流石に嫌がられちゃったね。“ヒビリ”ってとられても可哀想だし。ま、いっか。

「牡鹿君は、ジェイ。アルファベットの“J”ね。」







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