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ハリポタ

第2章 はじめましてと噛み合わない会話






目が覚めた時にはダボっとしたYシャツに着替えさせられていて、大きく開いた首元から覗き込めば、肩や腹部に治療の痕が見て取れた。

ブラジャーも外されていたけれど、腰は痛くないし、肝心のアソコも大した痛みは無い。…なんだ、結局しなかったんだ。ホッとした様な、理解できない様な…。ま、どうでもいいけどね。

上体を起こして足首に目を向ければ、落ちる前よりは若干薄くなった手形。捻挫だと聞いていた右足首は特に治療された形跡が無かったものの。そっと捻ってみて、僅かな鈍痛程度だった辺り、魔法か何かで対処してくれたのだろうとは思う。

手首の痣を擦りながらベッドから抜け出し、セブルスの姿を探す。本来なら二度と会いたくないのだけれど…。思い返せば返す程、彼の僅かな表情の違いが、脳裏に焼き付いて離れない。

「な…ん、で……んんっ!?あ、ぁ゙ーっ、あ、あ゙ーっ」

思わず呟いた“何で”の言葉が掠れていて、驚いて声をひたすら出してみる。痛い訳では無い。けど、なんて言うか…。

「…がら、から゙」

僅かな違和感を感じつつ、きちんとした足取りで来た道をたどる。今が何時かも、セブルスの自室がホグワーツ城のどの部分にあたるのかも、まるで分からない。それでも、先決は喉の渇きを癒す事。

ベッドルームの扉をそろっと開き、隙間から様子を伺うが、やはりセブルスの姿はない。聞き耳を立てて、物音がしない事を確認した上で、頭から仕事部屋(勝手に命名)に忍び込んだ。

そもそも此処はセブルス・スネイプの部屋。彼が居なければ渇ききった喉を潤す事すら出来ないと、不在を知らせる室内でぼんやりと思い至る。

「……セブルズ…せぅ、セブー、ぁあ゙ー。セヴぅ?」

取り敢えず、この部屋から出て行くのは得策では無い。何しろ広すぎる。あとはこの室内、ベッドルームへの扉以外のドアを一つずつ覗いて行っても良いのだけれど…、まぁ。他所様の部屋を物色するのもどうかと思うし…。

手直にある仕事机の高そうなソファ椅子にドカリと腰掛け、この部屋の主を待つ事にした。





早く戻って来ないと、干からびそうなんだけどなぁ…。







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