第2章 はじめましてと噛み合わない会話
「っ!?」
流石に今日1日で、セブルスの流れが読め始めたよ。流れる様にキスを仕掛けて来る彼との間に、サッと右手を翳して阻止した掌へ柔らかな感触が触れた。
「………」
「…あの。さっきも言いましたけど、私はセブルスのご友人では無いんですね?なので、そう何度もキスされると……その…、困るというか…、恥ずかしい。…です。」
頑張って目を合わせていたのに、語尾で思わず逸らしてしまった視線。逸らさなきゃ良かった。ギシリと再びスプリングが揺れた後に、ベッドへ縫い付けられた右腕。
ハッと視線を向けた時には、既に視界いっぱいにセブルスの顔が。
「不愉快だと?」
「そ、そうじゃな、っんむぅ、ゃ…、んはぁ…っせぅ…」
人の言葉は最後まで聞けって教わら無かったか、コノヤロー!…何て。勿論言える訳も無く、こうしてセブルスの舌で遊ばれている。次第に頭がボゥっとし、ゾクゾクと気持ち良い感覚を覚え始めた瞬間、右足で覆い被さる蝙蝠を蹴り上げた。
…筈だった。
パシンッと乾いた音を立てて防がれた私の蹴りは、そのまま彼の手に捕まると、そこから滑るように膨ら脛から腿。腰から腹部へと流れて、ジッパーを下ろしていく。
「んゃっ、な、何してんの!?」
大好きなキャラ。こうして目の前に居て“あわよくば”何て、こんなシーンをよく妄想してたのに。実際なってみれば、恐怖しかない。
「ゃッ。ぃやだっ、セブルスッッ!!!」
ゾワゾワと這い上がって来る恐怖心。必死に首を振って体を縮こませれば、私の下着を下ろし終えたばかりの手が、漸く止まる。
「……すまない。」
謝罪の言葉に“終わったのだ”と安堵し、僅かばかり力が抜けると同時。足首でクシャクシャに固まっていた下着が、パサリと床に落とされた。
「直ぐに終わる。」
グッと力を込めて開かれた右足のせいで、秘部が露になる。
「ゃっ!?っ、いやぁっ!」
途端フラッシュバックする過去。もういい。そう受け入れていた筈なのに、実際はこんなにも諦められないものなんだね。