第2章 はじめましてと噛み合わない会話
拒否の言葉と共に必死に閉じようとする足を易々と掴まれ、痛む腕を構いもせずに突き返す私の腕は、大した力が出ないせいか気にも留められず。セブルスの細い、それでもしっかりとした“男性”の腕が腿の間へ侵入していく。
「ゃ。ねが…っ、こ…こわ…、っ、いやぁ…!」
ここに来て感情の読めなくなった顔で、一心に腿の先。秘部から目を逸らさないセブルス。
「っ、いっ!?い…い、た…ぁ…。やめ…っ、ふっ、…やだぁ」
今迄触れてもいなかったそこへ、唐突に突き立てられる長い指。圧迫感と愛撫の無い段階での指の挿入に、ガチリと身を強ばらせると、溜まりに溜まった涙がボロボロと流れ出す。
「…………っ…」
“やめて”だとか“嫌だ”とか“こわい”何て、いくら叫んでも気にも留められない。これは、もう…。おわりだ。このまま私は、セブルスに抱かれる。
いつか、こうなるって覚悟はあった。…それが大好きなキャラなら全然マシじゃないか。…これでいい。もぅ、これでいいよ。
「っ、お…ねが……、んくっ、はじ…めて、なのぉっ!ゆっ、くり…っはぁ…いっ」
セブルスの腕に手を添えて“せめてもう少し優しくして”と、身を攀じり必死に悲願する度に指の角度が僅かに変わり、圧迫感と痛みで苦しくなるのを何とか耐える。
「っ!」
流れっぱなしの涙を拭い、瞼にキスを落とすこの男にビクリと再び縮こまると、小さく息を吐いた後。同じぐらい小さな声で呟かれた。
「怖がる必要は無い。」
………………“怖がる必要は無い”???
この状況で誰に何を言ってるのかな、こいつ。なんて、イラついた所でどうにも出来ないし。怖い事に変わりは無いので、ただただ強張った体をそのままに、キツく瞼を閉じる。
「…っ、ひぅっ」
入れられたままだった長い指が膣から出ていく感覚に、悲鳴が漏れた。暴れなくなった分動きやすくなったのか、開放された腕を口元に押し当てる。
異物感が漸く無くなったと同時、思わずブルリと体が揺れる感覚に、堪らず自らの腕に歯を立てた。
「力を抜け」
「っ!?」
ごめん。ごめんね、洸。“何が”とか、分からないんだけど…。凄く申し訳ない気持ちでいっぱいになった。