第18章 近過ぎたキミ③(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
「ごめん!泣かないで!
怖かった?
つい、その…」
つい、って何よ…!
つい、で疑わないで!
頭冷やせバーーカ!
「うわっ!冷たい!まだ水!」
『水出してるの!』
徹に向かって水を掛けると
「姫凪…ゎぷっ!
やめ…こら…!」
綺麗にセットされてた髪の毛が
ふにゃふにゃになって
降りてくる
ブルブルと首を振る度に
私に掛かる水飛沫が
私の熱い涙と混ざる
『ばか』
「…姫凪?」
眉毛を下げた徹の目に
私が映って揺れてる
開けた視界に映る徹は
怖くもなんともない
大好きな気持ちを
溢れさせるけど
『徹しか…好きじゃないよ!
なんで疑うのさ!
…そんなに信用ない?
なんで?
私の事…信じてくれないの?』
モヤモヤは晴れない
「姫凪?」
『徹が怒る理由が分かんないよ…
私がいつ嶋田さんを好きだって
言ったのさ…!』
そんな簡単に疑わないで
そんな簡単な気持ちで
徹を好きって言ったんじゃないもん…!
シャワーでも隠せないくらい
涙がポロポロ落ちて来る