第17章 近過ぎたキミ②（及川徹）⚠兄✕妹R18⚠

〈お兄ちゃん、お兄ちゃん
うるさいよ〉

やっぱり
コイツは姫凪を
女として見てるわけね。

まぁ、あんなけ可愛いしな。
世の中にゃ
色んな恋が有って
愛があれば…とは
思うよ？

それが…

「ふーん？そんな感じなわけね。
ま、良いよ。
俺あの子の事
前から狙ってたんだよ
やっと繋がったんだ
………逃さないよ？
俺、こう見えても肉食だから」　

俺の好きな女じゃなきゃな？　

〈はぁ？歳、考えなよね…〉

冷たく言い放ちながらも
キツく言えないのは
及川が歳の差よりも
複雑な壁を承知してるからだ。

〈何とか言いなよ…〉

苦しそうな声に
少し胸が痛む

でも同じ壁を越えさせるなら
絶対俺の方だ。

そっちの壁は
いくらなんでも
辛過ぎるだろ？

姫凪も
及川も。　

越えても越えなくても
泣く事になるんだからさ

止めとけ。

無闇やたらに
傷付くなよ、少年。

「真剣なんだよ
これからガッツリ
口説くから邪魔すんな
お兄ちゃんに
懐くなとは
言うつもりないからさー？
幸せにする役目は
俺で良くないかな？」

チクチク責めるのは
やっぱり心が痛む

沈黙する及川

言い過ぎたか？
謝る？