第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
俺の声に更に慌てて
〈あ、あほ!
そんなんしたら即通報や!
すぐ行くから!〉
ガチャ切りされた電話
「フッフ…慌て過ぎや
ホンマ可愛ええな…姫凪
早ぅおいで…もっと照れさせたる
治の事なんかお前の頭から
追い出したるよ、姫凪…」
ユルユルになる口元は
同じ家に居るはずのサクラの名前やなくて
姫凪の名前を紡ぎ続ける
壁に凭れて待つ事数分
『…ホンマに来とるし…!』
髪の毛を束ねて
なんかダルダルな服着た姫凪が
マスクで顔を隠して飛び出してきた
「えらい…ラフ…ブッフォッ!」