第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
「なぁ!このカッターシャツも貸してや!
いや、こっちのが大人っぽいか!?」
どっちも俺のお気に入りやけど
「好きにせぇ。もう寝る
適当に抜いて行けや」
着る予定無くなったもんな
「エエん?オオキニ!
今度お礼にプリン買うてくるな!
高い方のヤツ!」
上機嫌の侑が部屋のドアを
閉めるのと同時に
「要らん…腹減らんねん…」
ボソリと吐き出した愚痴と
しょっぱい目の汗
情な。
別に嫌われたとか
そんなんや無いはずやのに
ここまで凹むとか
俺どんだけやねん。