第1章 オープニングトーク
ぷくっと頬を膨らませ、ハリセンを片手にバシバシと打ち付けているステフ。
怒っている。
「お姉様を探すというから一緒にいこうかと思えばおいていかれ、書類はそのまま!し、か、も!
お姉様をべ、ベッドで……だなんて!
卑猥です!破廉恥です!恥を知ってくださいまし!!」
「ステフ!だがしかし!俺達はこうやって、を見つけた!
目的は達成されたし問題はないだろ!!」
「そう!あとはにぃが、しっかり、ヤってくれる」
「あ、白いるなら18禁はしないからなぁ」
「なん、だと……」
いつも通りのやり取りをかわす3人。振り回されるのは、いつでもステフのようでなんだか微笑ましい。
私はいつも一歩下がって見守る。これでいいのだ。
「ほーら!ステフ、遠出するんだからお買い物しなきゃって言ってたでしょ?いづなちゃんには私から伝えてお小遣いも渡したから、買いにいきましょう?」
「え?お姉様、今なんと?」
「だからお買い物いきましょう?って」
なにか変なことでも言ってしまっただろうか?不思議に思うなか、3人の顔はみるみる青くなってきて、
「その、まえ、」
「いづなちゃんには私から伝えてお小遣いも渡したから?」
「いづな!?」
空が真っ先に反応し、白が魂抜け、ステフは真っ青になり慌て出す。
「どうかしたの?」
「お、お姉様!いづなさんはまだ幼いんですよ!?」
「あ……」
「あ……じゃないですのよッ!」
「よ、よしッ探しにいこうッ!!」
空が真っ先に駆け出す。
「にぃ、そっち、お城」
「もう!ソラ、シロ手分けして探しますの!」
あわただしく動き回る3人。
「あ、私も……」
「お姉様は待っててくださいまし!!」
そしてステフは帰ってこなかった……
いや、きっと帰ってくるけど。
空と白は毎回セットのようで、二人で話し合っている様子。私はいつも通り皆を待っているとしよう。
「、いこ?」
手を伸ばしている白。ふと、顔をあげれば微笑んでいて……少し顔をあげれば空の顔が見える。
空も手を伸ばし、
「ほら!行こうぜ!あ、ステフには内緒な?」
どこかで見たことのあるその姿に私は二人の手をとる。
ねぇ、ちょっとだけ昔のことを思い出そうか。