第1章 小さな村のサーカス
sideみこと
今日はやけに外が騒がしい。
なんだろう?でも、自分には関係ないか
楽しそうな声と聞いたこともないメロディーが
地下深くまで届いてくる。それなりの音量なのだろう
人間とは不思議なものだ。
気になると言ったり、気にならないと言ったり
『面倒くさい..........』
そう思ってしまった。
ふと、上が揺れたような気がした。
初めは気のせいかと思ったが、そうではない。
パラパラと石が上から降ってくる。
やはり揺れている。
気になって耳を傾けると、先程の音とは
似ても似つかない音が流れている。
地響きに続き、悲鳴が聞こえてくる。
何かいる。村人が僕以外の何かに怯えている。
誰もここには来ない。
誰も出してはくれない。
きっと村人は僕を忘れ別の場所で過ごす。
このまま、忘れ去られていくのが運命。
重く下がる瞼に抵抗することなく闇に交じる。
その時少女には──────
摩訶不思議な曲が聞こえていた。