第1章 小さな村のサーカス
sideシルビア
その日はとても嫌な夢を見た。
少女が一人冷たい牢の中泣いている夢。
アタシがいくら声をかけても、
アタシがいくら手を伸ばそうとも、
その子に届くことは無い。
その子の涙は拭き取れない。
アタシはその子を助けられ─────
「ッッッ!!!!!」
ガバッと布団から頭をあげて起き上がる。
「ッ!......ゆ、夢、なの?」
この村に来てから毎日の様に見るそれは
どうしてもアタシには夢だと思えなかった。
今まさに、あの子は冷たい牢の中一人で
泣いている様に感じたから、
あの子は日を追うごとに笑顔から離れてる。
あの子は感情を忘れかけている。
「考えすぎね、ショーの準備をしなきゃ」
フルフルと首を降りこの村で最後のショーの
準備に取り掛かる。
──────胸のつっかえが分からないまま