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僕の笑顔の元

第2章 序章:駆け出しのルーキー


sideみこと

ショーの段取りもセットも全て揃った今日。
いよいよ本番に迫った時だ、シルビアさんがあの
一言で何処かに消えたのは。

『アタシ、ファーリス杯出てくるからお留守番
宜しくねみことちゃん♡』
「あー、はい......................ん?ファーリス杯?」
サーカス用の派手やかな馬に颯爽と乗り消えていく

消えていく?

サーカス用の派手な馬に乗って?

シルビアさんがファーリス杯に挑む?





「.......え、えぇええええええ!!!!?」
僕が叫ぶ頃はもう既にシルビアが居なくなった後だ。

「..........全く、あの人は」
そう口にだそうにも出てくるのは掠れた声のみ

────捨てられた..........?

─────あの時みたいに、また?

──────独りで..........冷たい

ヒュッと息がしづらくなる。

気が付けば僕は走っていた。

馬レースの会場まで全力で、怖くて怖くて、

違うんだと、いつも通り自由に行動しただけだと
本人から......シルビアから聞きたかった。

だけど見当たらなくて、必死に探し回った。
いつの間にか青い髪の男の人にぶつかった。

『お、おいっ!大丈夫か?』
「し..........びあ」
『?なんだ?』
「シルビアが、居ない、どうしよう、捨てられた?」

とめどなく溢れるこの涙を止める術は僕にはなかった。
慌てふためく青い髪の人は近くにいたであろう
女の人を呼び事情を聞こうとする。

『突然泣いちまって......あっ!だ!』
「....................っっ!!!シルビアッッ!!!」
『うぉっ!?』
男性が指さしたその先にシルビアが居た。
人混みをかき分け客席スレスレまで行く。

「シルビアッッ!!シルビアッ!!!」
歓声のせいで届かない声、精一杯声を上げる。

───捨てられてないよね?
────忘れられてないよね?
─────僕はまだ

────まだ、シルビアの隣に居ていいよね?────

僕に気付いたシルビアは僕にこう言った



















────『«待ってて、必ず迎えに行くから»』────
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