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短編集

第2章 それは夢より(楽夢)




ま、また思い出した…。
心臓に悪いからほんと忘れてしまいたい。

「顔赤いけど大丈夫?具合でも悪いのかな」
『だ、大丈夫です!』
「ふーん…楽と来る前に何かあったんだ?」
『なな、なんでもないですから!』
「あったんだね」
『ぅ…』
「まだ何もしてねえよ!!」

……何かするつもりで呼んだ?
不安になって来たかも。

「楽が何もしてないって事は、さんに何かあったんだね」
『…ぅ』

九条さん私で遊んでる…。
世間では天使扱いだけど蓋を開けたらほんと小悪魔だ。

「それで?」
「ちゃんをいじめちゃダメじゃないか」
「いじめてなんかいないよ。ボクは聞いてるだけ」
『夢で…』
「夢で」
『楽に……』
「俺…?」
『き、キス…された…』

い、言ってしまった。
と言うか言わされた感がする。

「夢の俺グッジョブ」
「それで楽の顔が見れなかったんだね。それじゃあ仕方ないよ」
『笑わないんですか』
「アイドルは夢を届けるのが仕事だからね」
『夢を…』

そんなこと考えた事なかった。
私は歌えるのが生き甲斐みたいになってたから。

「」
『?』
「プレゼントくれよ」
『誕生日だなんて知らなかったから何もないに決まってるでしょ』
「楽って馬鹿だよね」
『私もそう思います』

周りを見てないと言うかなんと言うか。
ちょっと同情するかも。
そう思っていると、楽が私のすぐ側に寄って来た。

『近い』
「近づいてんだかから当然だろ」
『え、ちょっ』

楽が私を抱きしめた…?
九条さんと十さんがいるのに…?

「楽、ちゃん困ってるよ」
「うるせえな…少しぐらいいいだろ」
「誕生日くらい好きにさせたら?度がすぎたら止めるけど」
『わ、私の意見は!?』
「聞かねえよ」

抱きしめる力が強くなった気がする。
離してくれる気配がない。諦めた方がいいの…?

「俺…まだお前のこと好きだ」
『が、楽…』

恥ずかしくなって目を泳がせていると、目に入った九条さんと十さんが笑ってる気がする。
場所ぐらい選んで欲しい。
……?違う場所ならいい…?嫌ではない?

「」
『?』

楽が私の顎をクイッと上げる。
か、顔が近……!?
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