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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第3章 ゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈


【殉難者 2】







次々と吐露される思いは、


翔を責めてるだけじゃない



思わず零れた声に、

大野さんの顔色が変わる






「俺…が?

翔くんを……?」







そう考える方が自然だし


全てが、そう言ってるようにしか聞こえなかった





「なわけないだろっ、


俺と智くんはそんなんじゃ…っ」





言いにくそうに言葉を飲み込んだ翔に


大野さんの瞳が、
哀しい色を宿した気がした








「バカバカしい……

翔くんもさ?元オーナーの息子なら、
今の状況がどれだけお客様に失礼かわかるよね?」







そう声が響いて、


ホール中から向けられる視線に気付く





宴を邪魔された客が、

大野さんの声に刺激され、次々に怒声を上げ始めた




置かれた状況を思い出して、


逃げられない異常な状態の中



翔の顔を見上げた






視線に気付いた翔は、


何も言わず頷いて……





少しだけ……ホッとしたけれど



次の瞬間、


床に頭を擦り付けるように土下座して



大野さんに赦しを乞うた







プライドの高い翔が、俺の為に土下座するなんて……


目の前の現実に涙が溢れた




そんなこと、止めさせたいのに



身体が震えて、拘束された腕がジンジン痺れる





「ごめっ…しょ……」





途切れ途切れの言葉と嗚咽




客の罵倒を浴びながら




やるせなくて


ガキすぎる自分が情けなくて……






「そんなことされても困んだよね。

今日は特別なパーティーなんだよ。お客様はね、続きが見たいんだ」


「だから!潤はっ」






顔を上げた翔が、


必死に叫んではいたけど


大野さんの瞳はやっぱり冷たいままだった







「そんなに止めさせたいならさ、誰が代わりになんの?

こんな綺麗な子の代わりなんてそうそう…」





そう言いかけた大野さんの顔に


残酷な笑みが浮かんだ






「そっか…

代わりに盛り上げてくれる?

翔くんなら出来るかもね。」







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