• テキストサイズ

DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第3章 ゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈


【肯定の仕方 1】




数本目の煙草に火を点け



時間を確認する




カランと音を立てたアイスコーヒーは

グラスに汗をかいて、過ぎた時間を表してる









昨晩、雅紀に話を聞いて

納得出来ない部分もそりゃあったけど……



それが、動き出せるキッカケになるって

雅紀がそうしたいって言うんなら仕方ない







俺だって、関係ないわけじゃないから







「すみません。

遅くなっちゃって……」





背後からの声に振り向くと



久しぶりに見た待ち人は、


前に会った時と、印象が違って見えた





派手な顔立ち

今時の若いヤツって感じの軽いノリ

だけど、根は真面目で

好青年っつうの…?




だけど……なんだ?




瞳が…




チガウ








「あの…

今日は、何か……?」





遠慮がちに向かいの席に座り、俺の顔を覗き込む






煙草を灰皿に押し潰し、



ニコリと笑って見せた








「聞きたいことがあったんだ。

雅紀より、俺のが適任かなって」

「…?」

「俺らの過去を知って、

潤くんは今、どうしてるの?」





回りくどいより、単刀直入のが効果あると思った


探りも込めた台詞


游いだ瞳が、善くない方向なのだと


直ぐにわかった







「なに…って……」

「ほら~?アイツ、心配してんのよ。
潤くんバイト辞めちゃって、どうしてんのかなって」






明らかに遅い帰宅


変わった印象


彼女や友達と夜遊びしてるってだけなら、


こんなに焦燥しきってないはずだ






彼はきっと、



何かを隠してる







「もしかしてさ…

言えないようなこと?」


「…そんなことないですけど……」






逸らされた瞳

落ち着かない掌






「……俺に、

話してみたら?」

「え?」

「櫻井にも雅紀にも言えないんならさ……」





言葉にしないけど、


揺れた瞳と不自然な間が


迷いを伝えて……





確信した俺は



話す気なんかなかった過去を、


語り始めた








.
/ 168ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp