第3章 ゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈
【硝子の欠片たち 3】
「おかえり」
「……ただいま」
特に興味もないバラエティー番組を見ながら、
カチャリと遠慮がちに開いたドアに
振り返りもせず声を掛けた
フワリと香るアルコールに
"またか…"と思う
なのに、
日も変わらない時間なんだから、って
自分を慰める自分自身に、嫌気が指した
結局俺は…
強がっても、コイツに対しては臆病になるんだ
「また飲み会?」
前と同じ俺の言葉に
「そう…お店の子とさ……」
前と同じアイツの返事
ふーん、って興味なさ気に呟いたけど
揺らぎないって、信じてるのに
やっぱ、怖くなるよ
同性ってだけでさ?
俺らは認められた関係じゃないから、
いつも、どっかで終わりを想像してしまう
血だらけのお前を抱き締めた時みたいに
絶望が見え隠れしてる
信じたいのにね
本気で想う相手だからこそ、勘繰ってしまう
.
「俺、シャワー浴びてくんね」
「ああ、行ってらっしゃい」
パタンと閉じたドアと同時に
溜め息が零れた
.