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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第3章 ゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈


【硝子の欠片たち 2】







「しょーちゃん!

お帰りなさいっ!」




玄関のドアを開けた途端に、
バタバタと足音が近付いてきて、


満面の笑顔を浮かべた潤が、俺を迎えてくれた



「ただいま。…って、
まだ起きてたの?」


「うん。だってさ、
しょーちゃんに見せたいものあったんだよね」




不自然に後ろに回した腕を、
"ジャーン"と声を上げて見せてくれたのは…



「テスト!100点だったんだよ!

クラスで俺だけ!」



嬉しそうに頬を緩ます潤の目線にしゃがみこむと

良かったな、と頭を撫でた




「しょーちゃんのおかげだよ!
勉強教えてくれたから!」






“さすがしょーちゃん!
先生よりわかりやすいもん!”


“しょーちゃん、ありがとう。
だいすき”





曇りない漆黒の澄んだ瞳


思わず目を細め、
何度重ねたことか……


アイツの真っ直ぐな瞳は…
俺のせいで澱んではないだろうか…?


あの頃と同じに、
太陽のような笑顔でいてくれてるだろうか……





「雅…紀…」





小さく溢れた言葉に
潤が不思議な顔をした





「しょーちゃん?」

「なんでもないよ。

ほら、もう寝なきゃ。
明日起きらんないよ」

「うん!おやすみ」



にこりと笑って、
自分の部屋に戻る潤を見送る





暗がりのリビングのソファーに身体を沈ませ


瞼を閉じると、
拭いきれない過去が過った





毎日毎日、


消えない残像







空き教室で無理矢理犯した時の、アイツの泣き顔




男達に弄ばれ、


羽を毟られた天使のように、汚されてく身体


大切なものの為に、
犠牲になろうとする真っ直ぐな眼差し




アイツの胸を赤黒く染めたシャツ







頭を抱え込み

止まらない頭痛と耳鳴りに

嗚咽と吐き気が込み上げる








きっと薄れることない


足枷のような過去






「まさ…き……雅紀っ……」







怖かった


なのに


消せない記憶を罪だと感じてるのに……



アイツの淫靡な姿に欲情している自分が……



俺はきっと、どこかオカシイままなんだ



キチガイかヘンタイか



自分でも、わからないんだよ







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