第3章 ゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈
【棘の涙】
脱力感と羞恥心
自分の身体なのに、
意思と切り離されたみたいに、言うこと聞かない
シーツを被ったままの背後に
カチカチとライターに火を点ける音が響いて、
しばらくすると、
大野さんの声が聞こえた
「馴れないから仕方ないけどさぁ…
見られてナンボの仕事だよ」
もちろんわかってるけど……
だからって簡単に出来ることじゃない
「翔くんが、
この場所に来ていた理由……知りたいんだよね?」
黙って聞き耳を立てながら、シーツを握り締めた
「コンナコトくらいじゃわかんないよ。
もっと……」
しばらく待っても、
その言葉の先は聞こえてこなかった
大野さんは、
何を言おうとしてたのか?
この行為の先に、答えはあるのか……
勝手に涙が溢れて
苦しくて……
ただ、気付かれないように
震える声を我慢した
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