第3章 ゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈
「縋る想い」
玄関を開けた瞬間から、
空間に温度がなくて、潤がいないとわかる
気まずさから、マトモに顔を合わせていないけど
アイツもきっと、俺を避けてるのだろう
リビングの明かりも点けないまま、ソファーに深く身体を預ける
ジャケットからケータイを取り出し
着信を辿った
数分前に届いたメールを見つめながら、
やっぱり嬉しさを隠せない
断ち切ろうと一度は覚悟したのに
情けないな…俺は
ケータイを握り締めたまま……
思考回路を巡る思い
瞳を閉じ、
瞼の裏に浮かぶ記憶
"しょーちゃんっ"
復讐することだけを支えに生きてた俺の中に
アイツの笑顔だけが、
鮮明に記録されているから……
……身代わりになんてしたから……
アイツは、離れてくんだよな
潤……
もしも俺と、
あの場所で出会っていなければ……
お前は、平凡で幸せな日々を過ごせてたかも知れないね
俺なんかと関わりを持ったせいで
余計な思いを抱かせてしまったんだから
10代のキラキラした時期は、ホントに一瞬だから
お前には、バカみたいに
楽しいだけの時間を過ごして欲しいって思うよ
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