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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第3章 ゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈


【優しい嘘】





「ただいまぁ~」





背後のドア

続く廊下の先から響く声





近付く足音に聞き耳を立てながら、

黙って様子を伺った







ノックが2回


同時に掛けられた雅紀の声は、いつも通りだ





「和、起きてる?

仕事?」





確かに……作業はしてたけどね





「…おかえり。起きてるよ」




集中も出来ないし…

眠れるかっつーの





くるりと椅子を回し、ドアを向くと


小さく息を吐いて立ち上がった




さてと

アイツはどんな顔してんのかな





開けたドアの真ん前



俺を見下ろす雅紀は、
にこっと笑顔を見せた








「……なんか、用?」

「え?別に…

起きてるかなって」

「起きてるでしょ?まだ、11時過ぎたとこよ」

「だよね。…あ、メシは?」

「適当に…
ってか、アナタまだなの?」

「まだだよ」







今日は、仕事帰りに会ってはないの……?


まぁ、だからってわかんないけどね





「お茶漬けかインスタントラーメンくらいなら出来るけど?」

「ラーメン食べたい!」





仕方ないなって、苦笑いして


ペタペタと裸足で廊下を進む





「あ、卵も入れてね」





後ろを着いて歩く雅紀に振り返ると、


やっぱり無邪気に笑って見せた





考え過ぎならいいよ

思い過ごしならいい





でもね


いつもと変わらなくても


何となくわかるんだ





雅紀、

気付いてないの?



普通にしてる笑顔がね



いつも通りだけど



いつもより優しいよ







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