第3章 ゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈
【初日】
何度来ても緊張するけど
今日はいつも以上に落ち着かない
"あの日"と同じように、
用意された黒いスーツに着替えると
黒い革張りのソファーが部屋の中心に鎮座した
"控え室"に案内された
「今日から入る新人だ。
"ジュン"挨拶して」
「"ジュン"です。
よろしくお願いします」
促されるまま、頭を下げ
独特な空間を見渡した
"よろしく…"
"へーい"
バラバラに声が返ってきて、あからさまな表情を出してる奴なんていないけど
歓迎されてないことくらいわかる
ここでは、
みんなライバル……敵なんだよな
稼ぐ為に、
自分を売る、んだ
「ジュン、
とりあえず今日は、BARから出て。
オーナーの指示だから」
大野さんの?
いきなりプレイルーム?みたいな部屋に
連れてかれると思ってたから安心した
もちろん、そこが
扉の向こう、
あの、……VIPルームに続いていることはわかっていたけれど……
廊下に敷き詰められた絨毯を歩く、自分の脚を見つめながら
勝手に自ら飛び込んだ世界なのに……
どうして、こうしているのか……
どうして、こんな恐い思いをしなくちゃならないのか……
今更だけど
覚悟なんて、出来ちゃいなかった
.