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DIVE TO BLUE 【気象系BL】

第3章 ゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈


【嘘 2】





リビングにある、
大画面のテレビでゲームしてると


ガチャガチャと無機質な音が静かに響いた


近寄る足音に耳を傾けながら、背後のドアが開いたのに気付いたけど



振り返りもせず、
"おかえり"とだけ、口にした






「ただいま」





心なしか、ちょっと元気のない声

それに…ドアが開いた瞬間から匂ってた



……ビール、かな



俺も飲んでたけど……



車で仕事には行ってるし、
決まった飲み会なら、朝に伝えてくれんのに……




急ならなおさら…連絡くれんのに?


日にちが変わったわけじゃないから、特別遅くはないけどね




「飲んでたの?」




冷蔵庫から出したミネラルウォーターを傾けながら、返ってきた声は、


やっぱり…"違う"って思う




「うん。

仕事終わってから、ちょっとだけ」

「ふぅん。そう、で、車は?」

「置いてきた。
飲んじゃったし…」


「今日は大変だったんじゃない?」


「えっ…なんで?」








誤魔化しきれると思ってんの…?


お前の異変や嘘なんて、すぐわかるよ




「イヤ、

バイトの岡田くん、酒癖悪いんだろ?違うの?」


「あ、うん。そう、

そうなんだよね」






もうちょっと上手く笑えよ


隠すんなら、バレずにやれや






「ね、俺にも水ちょうだい」

「うん」





飲みかけのペットボトルを受け取り、

雅紀の目を見た





「俺っ…シャワー浴びてくるね」


「風呂、貯めないでいいの?」


「うん。今日はいいや」






目ぇ合わせようとしないし


風呂に浸かるのが好きなクセに


明らかにオカシイだろ









ドアの向こうに消えた背中に


苛立ちながら、溜め息を吐いた







終わらせたんじゃなかったのかよ



約束と違うだろ?



アルコールと一緒に、微かに匂った覚えのある香水




悪い予感がする



そう、ホントはずっと



再会した日々から、
不安で仕方なかった



俺らの過去は、
そう簡単に浄化されはしない






そんなの


わかりきったことだったのに……





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