第3章 盗賊に狙われる戦士
……目が覚めると後ろに両手を柱に結び付けられ両足も結び付けられていた。
身につけていたお面も取られており右側のテーブルの上に短剣と鎖とともに置いてある。
周りを見渡すと特にものは見当たらず目の前には扉があり、その左には布が数枚畳まれ置いてある。
天井のライトがチカチカと照らされており、静寂な夜を照らしていた。
部屋にはネリア以外誰もおらず、自分の今の状況を推測した。
『手足は縄で縛られている。……好都合www』
小さくケラケラと笑いながら両手首の関節を器用に外し、縄を緩める。
関節を戻し、縄の緩めがバレないように掴み、しばらく戻ってくるのを待っていた。
しばらくすると足音が近づきてくるのがわかり、狸寝入りをする。
部屋に入ってきたのを確認し空気や音の変化に集中する。
「……まだ寝ているね。」
「もうそろそろ、薬が切れる頃だがな?」
『(声や足音の数からして2人入ってきた。……声の主はライナーとベルトルトか。)』
瞬時に相手を認識ししばらく様子を伺う。
「……どうする?」
「……仕方がねぇ。起こすか。」
そう言って一人(ライナー)が肩を触ろうとする。
それを察知するや否ネリアはカッと目を開き手に握っていた縄をライナー目掛けて振りかざす。
「……っ!!!」
バチンと音を立てながらライナーの手を叩き落とし、ライナーの足に向けて縄を降る。
ライナーの足に縄が絡まり、倒れてしまう。
どうやら倒れた場所が悪かったのかベルトルトも巻き添えにあった。
そのすきにテーブルに置いてある短剣と鎖を手に取り両足を縛っている縄を短剣で切り取る。
「……くそ!!!」
ライナーは急いで起き上がり出口である扉の前に立ちはだかる。
この部屋には窓は見当たらず逃げるにはライナーが立ちはだかっている後ろのドアから出なければならない。
武器を使えばすぐに出られるのだが余り騒動を起こしたくない。そして出ていったとしても、まだ薬の影響が残っているのかスグに捕まってしまうだろうと判断する。
しばらく睨み合っているがネリアは諦めたかのようにため息を吐く。
『……はぁ〜』
「……っ!!!!」
「ひぃ!!!!!」
『溜息はいただけなのになんで驚くのwww』
急にケラケラと笑い出す目の前の女にライナーとベルトルトは度肝を抜かれる。