第2章 2.分けあいましょう
「ん、じゃあね?
まー友達なんてすぐできんだから」
智くん、あのね?
教室の前まで見送ってくれるのは、
すごい嬉しいことなんだけどね?
『智くん、みんなの目に智くんがね
映るのは私すごく嫌だから帰って?』
「ふふ、嫉妬かぁ?」
『そうだよ、嫉妬ってやつだよ!ほら!』
智くんの背中を無理矢理押して、
重たい体を動かしたらやっと歩きだした
「んじゃあね、また帰りね」
『ん、わかったよ。バイバイ』
小さく手を振って智くんを見送った。
智くんの温かい背中に触れて、
なんか頑張れる気がしてきた。
がんばれるよね、智くん