第2章 2.分けあいましょう
おじいちゃん先生の授業が始まって、
もう30分は経ってると思ったけど、
まさかの、まだ10分だった。
だから、ポケットからキャンディを出す
真っ白なミルクキャンディ
二宮「……ねぇ」
『ん、え……な、なに?』
小さな声で二宮くんが私に声をかける。
二宮くんの頬っぺたには寝てたのか、
教科書の痕がいっぱいついてる。
二宮「それ、ちょーだい」
『それ?』
二宮「ん、その舐めてるの」
『え、あ、キャンディ?』
二宮「物々交換」
ポケットから最後のキャンディを出して
二宮くんの真っ白な手に乗せる。
最後のキャンディ
智くんに帰りあげるつもりだったけど、
まーいっか。
『じゃあ、友達になってよ。二宮くん』
二宮「は?なんで、そーなんの?」
『じゃあ……あげない!……あ』
思わず大きな声を出してしまった。
これは、完全に……
〈そこ!私語は慎みなさい!〉
怒られました。
二宮「はい、馬鹿」