第2章 2.分けあいましょう
ガラガラ……
松本「お、来た。おっせーよ!」
あ、二宮くんの言う通りだ。
松本先生は"人使いが荒い"
それで、なんなんだろう。
二宮くんが教室に入ると、
その……女の子たちが目を輝かせてて、
二宮「誰か使うのはいいですけど、こういう面倒なのは今後やめてください」
松本「ははっ、やっぱ?」
え?それは……私のこと?
ねぇ、智くん
もう泣きそうだよ?もう涙が…
松本「ん、じゃあ……まー頑張れ。以上」
松本先生はそう言うと教室を出ていった
やっぱり適当なんだなっと再確認
『あ、数学…数学………ん?え?あ!』
鞄の中身を見ると筆箱がないという事実
どうしよう
まだ友達なんて出来ていないのに、
借りることも出来ず、
頼ることができるとすれば……
二宮「なに?」
『…………そのね、筆箱をね…忘れて…』
二宮「はい、いやだ~…」
智くん、私二宮くんが嫌いになりそう
でも、唯一の喋れる人だから……
『二宮くん、おねがい!貸して?』
二宮「…………っとにもぉ、ん」
二宮くんは荒々しく私の手のひらに、
必要なものを渡してくれた。
『ありがとう、二宮くん』