第2章 2.分けあいましょう
『二宮くーん…いますか?』
とりあえず、呼んでみる。
どんな人なのか、
ここに本当にいるのか、
そんなの分かんないけど呼んでみる。
『二宮くーん…いーます…わっ!』
「…………なんですか?」
私の足元には1人の人の両足が、
って、
『二宮……くん……ですか?』
「…………ん、そうですけど」
確認致します。
『子犬……ぽい……うん……
小さい……確かに……屋上にいる……』
「あなた誰なんですか?」
『敬語を使う!二宮くんだ!』
完全に"は?"って感じの目
だけど、私は何故か嬉しくて笑ってる
『二宮くん、はじめまして』
「……はじ、め、まし…て?」
『です』
「二宮……和也……です」
目を擦りながら、ぎこちなくそう言う
きっと二宮くんはシャイボーイです。
『二宮くん、帰りましょ?』