第4章 第4章
Sサイド
想いが通じた今、ちょっと少し先に進みたいと思うのが男な訳で…
「雅 紀…」
「ん?」
「…キス……していい?」
「えっ?」
俺の問いかけに、一瞬俺を見たが、すぐ俯いた。
やっぱいきなりすぎるか…
何も言わないまま俯いた雅 紀の顔を覗きこむ。
「雅紀…?えっ?」
顔が真っ赤になってる。
か、可愛いすぎるでしょ~そんな顔見たら俺…
「雅 紀…していい…?」
「翔ちゃん…俺…」
「嫌か?」
そう言うぶんぶんと頭を振る。
「そんな…嫌な訳ないじゃん…」
「じゃ…いい?」
自分でも驚くほど優しい声で囁く。
「…う、うん…」
意を決したように頷いた。
俯いてる雅紀の両頬を優しく両手で包み込み少し上を向かせる。
恥ずかしそうに瞳を背ける雅 紀
「雅紀…俺を見て…」
そう言うと黒目がちな綺麗な雅紀の瞳が俺を捉えた。
絡み合う視線。
ゆっくり、ゆっくり顔を近づけてゆく。
唇が触れる瞬間、雅 紀は瞳を閉じた。
薄く紅い雅 紀の唇に俺の唇が触れた。
ジンって身体に電流が走ったみたいに痺れる。
雅 紀の手が俺の服をギュッと掴む。
キスってこんなドキドキするもんだったかな?
まるで身体中が心臓になったみたいだ。
少し角度を変えて、より深く口付ける。
舌で唇を開け、歯並びを舐め上げ、口内へと舌を忍ばせる。
「…んっ……んん…っ…」
唇の隙間から漏れる雅 紀の吐息。
クチュ…クチュ…と水音が響く。
苦しくなってきたのか、雅 紀は俺の胸を突っぱねる。
まだ…もう少し…このまま…もっと雅 紀を感じていたい。