第3章 第3章
Sサイド
ついに告げてしまった。
雅 紀の身体が強張っていくのがわかる。
俺は身体を離し、雅紀を見つめる。
目を見開き、戸惑いを隠せないその少しうるんだ黒目がちな瞳が俺を見つめている。
「ごめん…」
「えっ…」
「迷惑…だよな…」
そう呟き、その場から離れようとした時、グイと腕を掴まれた。
「待って…」
「えっ?」
思いがけない雅 紀の行動に俺は動けないでいた。
「…俺のこと…ほんとに……その…好きなの…」
不安そうに俺を見つめる雅 紀。
なんだよ?その顔…期待しちゃうだろ…
俺は雅 紀の正面にしゃがみ込み、雅 紀を見つめ
「好きだよ…本気で…」
雅 紀の瞳をまっすぐ見つめ、正直な気持ちを伝える。
「自分勝手なのはわかってる。メンバーだし、同性だし、これから気まずくなるかもしれない、けど……」
もう止められないんだ……
大きく見開いた雅 紀の瞳がだんだんうるんでゆく。
そして、一筋の涙が頬を伝う。
「えっ……ちょ…雅紀…?」
突然の雅紀の涙に戸惑う。
その時、雅 紀の腕が俺の頬を掠め、首に回され、ふわりと俺は雅紀に抱き締められた。
「えっ…」
あまりの展開に俺はその場に尻もちをつく。
より一層密着する雅 紀の身体。
「ま、まさき…」
「…俺も………だよ…」
「な、何?」
「俺も…好きだよ…ずっと…翔ちゃんが俺を好きなるずっと前から…翔ちゃんが好き…」
その言って、俺を強く抱き締める。
鼻を擽る雅 紀の甘い匂い…身体の温もり
「えっ?ちょ…マジで…」
「うん!マジで…」
俺は身体離し、雅 紀を見つめた。
涙で濡れた頬をそっと親指で拭う。
「何で、泣くんだよ…」
「だって…嬉しいから…」
頬に触れている俺の手に自分の手を添えて、安心したように頬になすり付ける。
「自分が好きな人が、自分のこと好きだなんて、奇跡だよ。」
そう言って微笑む。
そうだよな…今俺は奇跡を見ている。