【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第6章 DAY3【エドガー・ブライト】
(どこに行ったんでしょう……)
エドガーは人混みの中に視線を走らせ、レイアの姿を探した。
(まさか……可能性は低いですが、アモンが動き出した……?)
最悪の想定がエドガーの脳裏をかすめる。
(変装しているとはいえ短剣くらい持ってくるべきでした…)
休戦協定が結ばれている今、黒の領地に赤の軍幹部が、刃物を持って踏み入るのはさすがにリスクが高かった。
(単なる迷子だったらいいのですが…)
焦りとともに歩みが速くなる。
アモンは生きている。
そしてエドガーは、彼がどこに潜伏しているかおおよその検討もついている。
確証がないことと、確かめたところで今の平和なクレイドルに何の影響もないと踏んでいたからだ。
しかし、レイアを再び狙うとなると話は変わってくる。
ヨナの最愛の人だから、でもなく、魔法を弾く力を分けられるからでもない。
彼女がクレイドルに戻ってからの1年、赤の兵舎で過ごしてきた彼女は、厳戒な上下関係と血縁を重んじるこの組織に新しい風を吹かせてくれた。
幹部の間には笑いが増え、食事を共にすることが増えた。
もちろん、訓練は訓練、任務は任務だが、部下とも少し距離が縮まったような気がしていた。
(俺とは少し距離をおいてましたけど…それでも以前よりは親しくしてくれていましたね)
あの孤高のゼロが意外にもレイアとよく時間を共にしていたのを思い出す。
(俺以外の人間にゼロが懐いているのは少々妬けましたけど)
そんな記憶を思い出しながらエドガーは園の中を必死に探していた。
すみからすみまで探し、ついに入り口の広場へやってくる。
(ここが最後…これで見つからなかったら応援を要請し………)
その瞬間、探し求めていた長い金髪が視界に入った。
傍らにいる男性が、彼女の背中に手を添えている。
(………まさか!!)
「レイア!」
エドガーが思わず呼び止めると
二人は同時に振り返った。
「あ……!」
「…………エド?」
「ルカ…?」
レイアの傍らにいた男性は私服姿のルカだった。
「どうしてルカがここに」
「…シリウスに言われて警備に来た。目立たないようにしろって言うから…私服にしてただけ」
エドガーは視線をレイアに戻す。