【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第6章 DAY3【エドガー・ブライト】
しばらく歩いていくと、少し開けた場所に沢山の風船やカラフルな旗が立てられているのが見えてきた。
子どもたちの声や、動物たちの鳴き声らしき声が聞こえてくる。
「あそこだね」
まるでちょっとしたお祭りのようになっているその会場は、出店が並んだりして甘い香りも漂ってくる。
「わぁ、すごい!」
大小様々な囲いや檻が並び、ウサギやリス、色とりどりの鳥、ハムスターやフェレットもいる。
「可愛い!ヨナのところのパインちゃんそっくり!」
小さなかごの中で走り回るハムスターを見てレイアは言った。
「本当ですねぇ…毛の色がよく似てます」
「ねぇエドガー、ウサギが沢山いる!すごい丸まってる!!」
「そうですねぇ…顔がどこだか分からないくらい丸まってますね」
「…………」
すると、黙ってじっと見つめ返すレイアに、エドガーは微笑みを絶やさずに尋ねた。
「…どうか、しましたか?」
「………ううん、返答がエドガーっぽいなぁって思っただけ」
その答えにエドガーはぷっと苦笑した。
「…ふふっ……俺っぽいって、なんですか?」
(あ……)
その瞬間、見せたエドガーの表情は
今まで見た中で一番自然な笑い方だった。
「ん…どうかしましたか?」
ぼーっと見とれるレイアは慌てて視線を逸らす。
「ううん、なんでもない」
(あんな笑い方、するんだ…)
赤くなった頬の熱が冷めるまで少し俯いていると、エドガーの手が差し出される。
「あっちに行ってみましょう」
「う……うん」
再びエドガーはいつもの笑みを浮かべていた。
しばらく園内を散策した後、二人はベンチに座りながらジェラートを食べることにした。
「ねぇ……エドガーのジェラート、何味なの?」
眉をひそめながらレイアが見つめる視線の先には、毒々しい紫色とスカイブルーがマーブル状になったエドガーのジェラートがある。
「食べてみますか?」
「え…いや……」
「遠慮しなくてもいいですよ」
(遠慮じゃないんだけどな…)
「………こう見えて、ストロベリーとバニラです」
「嘘でしょ?」
エドガーがニコニコしながら差し出してくる。
「確かめてみたらいいのに」
「………」
レイアは恐る恐る、その奇妙な色のジェラートを舐めた。