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【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】

第6章 DAY3【エドガー・ブライト】




「本当に大丈夫なの……?」


黒の領地への橋。

レイアとエドガーが並んで立っている。


「大丈夫ですよ、そのためにいつもと違う格好してるんですから」


エドガーは軍服ではなく私服に着替え、ご丁寧に伊達メガネまで掛けている。


「俺、赤のジャックに見えますか?」

(見た目はまったく見えないけれど…)


ジャケットの胸ポケットからのぞくポップな色の包み紙が、エドガーの大好物のお菓子であることは明白だ。


「そのお菓子の包み紙で分かるよ」


「やだなぁ…これで分かるのは身内だけですよ」


そう言ってエドガーはさりげなくレイアの手をとった。


「あ……」


「いいですよね?今日はデートなんですから」


(まぁ確かにそうだよね)

断る理由もない。


レイアは黙ってうなづくと、エドガーはにこやかに微笑んでエスコートしてくれた。



「で、黒の領地のどこへ?」

「レイアは移動動物園を知ってますか?」

「移動動物園?」


ロンドンにも動物園はあった。
それまでは見世物として一部の貴族たちが楽しむだけの要素が強かった動物園が、子どもたちや学生などが動物のことを知ったり、また楽しむために広く門戸が開かれた、ということで一時期話題になっていた施設である。


移動、ということは、動物園がまるごと移動するのだろうか。


「動物園が移動するの?」


「ええ。各地を回って子どもたちを楽しませてくれますよ。小さい動物たちが中心ですが、抱っこしたりエサをあげたりすることもできて楽しいですよ」


「えっ!触れるの?」


レイアは驚いた。
これはロンドンのそれとはちょっと違うようだ。


「ロンドンにも動物園があったけど、触ったりすることはできなかったはずだよ…すごいね」


「楽しみになってきましたか?」

「うん!…でも、エドガーってそういうの好きなの?」


エドガーがふふっと笑いをこぼした。


「俺は動物大好きですよ。知りませんでしたか?」

「うん、知らなかった……」

エドガーに限って、いわゆる『可愛い』といわれるものを愛でる趣味があるとは予想もしていなかった。


エドガーの意外すぎる一面を知った衝撃で、レイアはいつの間にか、繋いでいた手の気まずさを忘れていた。

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